2009年 03月 10日 ( 1 )   

カルデロン・ノリコさん一家について   

昨日(9日)、東京入管に出掛けた。
カルデロン一家のご両親が出頭されるということで、この問題の支援者である私も同行したという次第。

私は今、東工大や東洋大学での教員としての仕事のかたわら、セーブザチルドレン・ジャパンのチャイルドライツセンター部長代行をパートタイムで務めている。

もともと、日本ユニセフ協会で子どもの権利に関するアドボカシー活動に携わっていたし、大学院での博士号申請論文のテーマも「現代多文化社会の下での人権の普遍性の様態」みたいなことだったので、外国籍の子どもの人権には以前からずっと関心があった。

先月、ジュネーブの国連人権高等弁務官事務所の知り合いから、カルデロンさん一家のことがBBCでニュースになっているので、情報を提供してもらいたいと頼まれ、この問題を担当されている渡邉章吾弁護士に連絡を取り、いただいた情報方を国連人権高等弁務官事務所に送ったのが、この問題に関わることになったきっかけ。

その後、国連人権高等弁務官事務所を通じて、2人の国連特別報告者が本件に関わることになり、現在、日本政府に対して情報提供を求めていると聞いている。

昨日、カルデロンさんのお父さんが収容され、お母さんだけが仮放免になり、学校を早退してきたノリコさんと東京地裁内にある司法記者クラブで渡邉章吾弁護士と3人で記者会見に臨んだ。
「家族3人で、日本で暮らし、勉強を続けたい」とノリコさんははっきりと発言していた。

「国連子どもの権利条約」は、子どもの最善の利益、非差別の原則、生存と発達の権利、そして意見表明権をその基本原則として掲げている。
これらの基本原則は、日本国憲法における基本的人権の尊重のようなもので、改正したり、留保したりしてはいけないものである。

日本政府は、しかし、両親ないし片方の親が強制退去処分になった場合、子どもの最善の利益は適用されないという解釈宣言を「国連子どもの権利条約」第9条1項について行なっていて、国連子どもの権利委員会から繰り返し、その撤回を勧告されている。

私の視点から見ると、これまでの法務省、そして最高裁の判決は、この解釈宣言を容認した、その範囲内での議論なので、そもそも、再考が必要なものである。
そして、その観点から、現在、国連特別報告者が介入しているのだと理解している。

確かに、外国人の入国ないし在留許可は各国政府の裁量事項であることは国際法の大原則である。
しかし、この原則を確認した最高裁のマクリーン判決は、今日のように多数の国際人権条約が成立する以前のものであって、その後の国際人権条約その他の制度の発展の結果、国家といえでも、これらの国際人権条約によって一定の制約を受けるという国際的な新たな動きを全く無視することは出来なくなっている。

今回の日本政府の決定は、このあたりに対する考慮が十分ではないのではないかと私は考えている。

日本は国連人権理事会の理事国でもある。
しかも、昨年のG8サミットではホスト国を務めた、世界のリーダー国の一つでもある。
そういう立場を踏まえて、カルデロン一家の問題にも対処してもらいたいと私は考えている。
c0025690_7523930.jpg

[PR]

by fwge1820 | 2009-03-10 07:56 | 国際人権論