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中山実生(みおい)さん   

みおいさんも、2001年12月に横浜で開催された「第二回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議(横浜会議)」の若者代表。

その後、インドのバンガロールに生活と活動の拠点を移し、2003年3月より、子ども達自身が、働く子どもやストリートチルドレンの写真を撮り、彼らの記録を残していくと同時に、この子ども写真家が子どもの権利について他の子どもに教えることが出来るように育っていくことを目指す「働く子どもの『遺産と伝説』キャンペーン」を立ち上げました。

みおいさんは、児童労働からの解放を訴えるミュージカル・バレエ『スパルタクス・リターンズ』の制作、公演にも関わっています。
劇の構成から展開、結末に至る全てが子どもたちとの議論に基づき制作され、ダンスの振り付けも子どもと若者によって行われ、そして子どもと若者自身によって演じられる『スパルタクス・リターンズ』は、2003年4月30日の世界児童労働者の日から8回の公演をバンガロールで行い、合計2万8千人の観客を動員。2004年1月にムンバイで開催された世界社会フォーラムでも公演され、同5月にイタリアのフィレンツェで開催された児童労働に関する世界子ども会議でも紹介され、強い印象を参加者に与えました。

スパルタクスは、紀元前1世紀に古代ローマ帝国に対して反旗を翻した奴隷剣闘士です。『スパルタクス・リターンズ』は、奴隷制撤廃のために立ち上がった古代の戦士スパルタクスに仮託して、現代の奴隷制である児童労働からの子どもの解放を訴える壮大な劇なのです。
この劇に出演している約200名の子どもと若者の多くは、かつて路上で暮らすストリートチルドレンや児童労働の犠牲者でした。

『スパルタクス・リターンズ』の原作者で、舞台監督を務めるジョン・デラバジさん(45歳)は、こう語っています。「劇のアイデアを子どもたちと発展させていく中で最も印象に残っているのは、この劇の中でスパルタクスの結末についての議論を行なったときです。スパルタクスは、苦しみの中にある子どもたちを解放し、勇気付ける歴史的英雄です。歴史における個人の役割とは何かという疑問を子どもたちは解こうとしました。その議論は約2ヶ月続きました。それは私にとってとてもパワフルな経験であり、子どもたちから多くを学びました。革命を起こす当事者である子どもたちが参加しているのが『スパルタクス・リターンズ』なのです。」

この「スパルタクス・リターンズ」の日本公演を実現したいというのが、みおいさんのもう一つの夢。
「日本の子どもたちと1週間位合宿しながら子どもの権利や児童労働について互いに学び、そして一緒に稽古をして劇を上演したいです。この公演を通して、日本の子どもたちがアジアそして他の大陸の働く子どもたち、ストリートチルドレンのことを知り一緒に解決の道を探ることで、同じ子どもとして、友達としてエンパワーされ、そしてエンパワーできる存在に成長して欲しい。また、劇やダンス、歌、写真といった芸術が社会を変えていくダイナミズムを持っていることを子どもたちに伝えたい」と、みおいさんは熱く語ってくれました。

by fwge1820 | 2005-05-05 08:22 | わたしの仲間たち

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