専門演習I & II   

【演習の目的・概要】
わたしは、財団法人日本ユニセフ協会広報室長として、1997年より2004年まで途上国の子ども達の現状とユニセフ(国際連合児童基金)の活動を日本の人々に伝える広報活動と子どもの権利の実現を目指すアドボカシー活動に携わりました。
カンボジアやモルドバで人身売買の犠牲となった子どもたちと話をしました。スーダン南部では武力紛争の中で親を殺された子ども、兵士として戦闘に参加して負傷した子どもと語り合いました。イラク南部の町バスラにある病院では治療器材、医薬品もない中で死を待つ赤ん坊に出会いました。
世界には、今でも最も基本的な人権すら保障されていない子どもたちが数多く存在している。
この演習では、これらの活動を通じてわたしが感じ取った人権という考え方、生き方を皆さんに伝えていきたいと思います。
 わたしの専門は、人権思想、子どもの権利、参加型人権平和教育です。
人権とは「人間の尊厳を根拠として不可侵不可譲の人権をわれわれが持っているということ、そしてそうした人権をお互いに承認することによって、人間が人格的理性的存在として人間らしく共に生きることが可能となり、個人の自己実現と社会の平和をもたらしうる」(飯坂良明「日本における人権意識の深化を求めて」『国際化と人権』国際書院、1994年)という信念です。
この演習では、具体的な活動を通じて人権について学んでいきます。
人権の基礎は人権感覚、つまり自分と他者を同じように大切にしようとする感覚を身に付けることです。落合恵子さんは、このことを「他人の足を踏まないこと。そして、他人に自分の足を踏ませないこと。」と表現しています。
自分を本当に大好きな人間だけが、自分とは異なった他者を尊重することが出来ます。
自分を本当に好きになるためには、〈ほんもの〉の自分、本当に自分がやってみたいことを見つけることが必要です。
〈ほんもの〉の自分を見つけるには、〈ほんもの〉の仲間が必要です。
この演習では、参加者の希望を生かす形で、様々な活動、実践を通じて人権、平和について学んでいきます。

【演習の計画】
基本的に1年生から4年生まで一緒に演習をやっていきます。
最初に自己紹介を兼ねた自己発見のための参加型アクティビティを行います。
ゼミ生の間で基本的な信頼関係が出来たところで、それぞれの具体的な達成目標を話し合いながら決めていきます。
達成目標は、半年毎に見直しと修正をしますので、初めからあまり緻密なものを考える必要はありません。
具体的に何を、どのようにやるか、はゼミの中の話し合いで決めていきたいと思います。


【評価の方法】
最初に決めた達成目標を、どの程度実現できたか? を自己申告に基づく総合評価(同級生+教員の評価)で決定します。このプロセスを通じて、客観的な自己評価と他者評価が出来る能力を身に付けます。
評価対象、方法もゼミの中で話し合って決めたいと思います。
但し、一度ゼミの中で決めた評価システムは、最後まで守ることが基本です。


【教 科 書】
基本的な知識と理解を共有するために、以下の本は全出席者が読んでください。
大久保真紀『子どもの権利を買わないで』自由国民社
森田ゆり『エンパワメントと人権』解放出版社
イェーリング『権利のための闘争』岩波文庫、岩波書店
森田明彦『人権思想をひらく-チャールズ・テイラーとの対話』藤原書店

【参考文献】
内村公義『個人と国家』とき書房
森田明彦『ビン・ラディンの挑戦』猫の本屋さん

【その他の特記事項】
PCと英語は必須です。但し、最初から全て知っている必要は全くありません。実践の中で身に付けていきましょう。
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by fwge1820 | 2005-03-09 09:59

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